デトロイト総領事の眼差し

令和8年3月10日
デトロイト総領事の眼差し Vol.20
空を飛ぶ夢を見た、ミシガン編 ― セルフリッジ空軍基地を統括する女性准将


 
令和8年 (2026年) 3月10日
在デトロイト日本国総領事
岸守 一
 
前回はオハイオ州のライト・パターソン空軍基地について書いたので、今回はミシガン州のセルフリッジ空軍基地について書かねばなるまい。
実は、こちらも最高司令官が女性なのだが、そこに至るまでには少し長い経緯がある。
 
ミシガン州は民主党と共和党が拮抗しているパープル州なので、トランプ大統領が遊説に来た際、セルフリッジ空軍基地を訪問した。昨年4月のことである。その前にホイットマー州知事は、ホワイトハウスを訪問し、最新鋭F15-EXを21機セルフリッジ空軍基地に配備することでトランプ大統領と合意していた。ミシガン州民のためなら対立より妥協を選ぶホイットマー州知事の本領が発揮された形だ。
 
その直後にアポが取れ、私はセルフリッジ空軍基地を訪問した。ブランカート基地司令官とクレイマー州兵副司令官の案内で基地内を視察し、ブリーフを受けた。カートから見た印象だが、賑わっていたのはゴルフコースくらいで官舎や病院やオフィスなどは空室が目立ち、戦闘機の新たな配備がなければ閉鎖の噂があったのも頷けると思った。
その次は公邸の夕食会にお招きした。そのとき背丈が2メートルの林檎の木を持ってきてくれた。日を改めてムーア少佐と一緒に公邸に植えたが、林檎は鹿に食べられてしまった。
 
こうして少しずつセルフリッジ空軍基地と当館の交流が始まったが、昨年12月、ブランカート基地司令官はワシントンDCに転勤が決まり、司令官交代式に招かれた。彼の後任が女性のフォルカー准将ということになる。
 
フォルカー准将は大人数の夕食会に同席されていたが、まだきちんと話をしたことがない。司令官交代式では、準備の重要性 (readiness) を強調していたので慎重な性格かもしれない。
次は5月末の航空ショーの招待を受けている。その前に膝をつき合わせてフォルカー准将と話す機会を持ちたいと考えている。米空軍の一人一人に日本を理解し、日本を好きになってもらうことが日米同盟をより強固にする近道だと信じている。

 
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