デトロイト総領事の眼差し
令和8年2月26日
デトロイト総領事の眼差し Vol.16
我が家に料理人がやってきた! ― 日本食の外交官、谷口義忠氏
我が家に料理人がやってきた! ― 日本食の外交官、谷口義忠氏
令和8年 (2026年) 2月26日
在デトロイト日本国総領事
日本大使や総領事の公邸には、普通は公邸料理人がいる。しかし私はサンフランシスコから直接デトロイトに赴任したので料理人を連れてこられなかった。在デトロイト日本国総領事
岸守 一
ではどうやって2025年を凌いだか。和田・中川総領事時代の料理人だった中野楓シェフ、イタリア領事館御用達のCasa Pernoiのケータリング、そして“Bar飯”であるCafé Jimmyの組み合わせで何とか対応していたが、それはまた別の話。
今年2026年1月6日、待望の料理人が我が家にやってきた。滋賀県出身の谷口義忠氏だ。
中国上海で20年以上も日本料理店を経営した実績がある。
今年から外務省の料理人制度が大きく変わった。これまで大使や総領事の属人的な料理人という位置づけだったが、今年から公募制になり、本省が直接料理人と契約する。今までは公邸に住み込みだったが、谷口シェフはバーミンガムに住居を見つけて香代子夫人と共に住んでいる。谷口シェフは、ミシガン・オハイオ両州における日本食の外交官となる。
「デトロイトはイメージが悪すぎて、応募する料理人の方なんていないんじゃないの。」
東京で療養中の妻は心配していたが3名の応募があった。ミシガン州と滋賀県が姉妹州県なのを知って、谷口シェフは応募してくれた(山根首席も糸山班長も勿論私も、満場一致で谷口シェフに決めた)。
谷口シェフのデビューは、JBSD新年会のパフォーマー(昨年は中西圭三氏、「眼差し」Vol.3を参照)としてニューヨークから来訪された矢野顕子さんの歓迎レセプションだった。谷口シェフの美点は、料理の腕前や配膳も素晴らしいが、相手のことを徹底的に調べるところだ。この夜も矢野さんの好物を並べ、中でもキャベツとチキンのカレーには矢野さんが感動し、「何で(私がこれを好きだと)知っているの?」と言いながら、大笑いする場面もあった。
次は、スナイダー前ミシガン州知事を主賓とする6名の公邸夕食会だった。バルーア・デトロイト圏商工会会頭やハウゼル元当館顧問弁護士の伝手を手繰ってやっと実現した貴重な機会だったが、谷口シェフが滋賀から持参した日本酒『竹生島』と共に楽しんでいただけた。
デトロイト総領事館には、総領事を含めた日本人の館員が9名、現地職員が18名いる。
谷口シェフは、料理という技術で10人目の日本人館員としてチームに加わることになる。
Barでゆっくり酒を飲みたい方のためにCafé Jimmyは当面継続することになったのだが、総領事特製前菜3品の後のメイン・ディッシュは谷口シェフが作ってくれることになった。
皆様、これからの谷口シェフの活躍にどうぞご期待ください!